オープンソース・ソフト Drupal を使った Web サイトの構築・サポート・研修

Nasdaq は「Drupal ディストリビューション as-a-Service」をどう提供しているか

Brad Peterson at the Acquia Engage conference
Acquia Engage カンファレンスで講演する Nasdaq の CIO 兼 副社長のブラッド ピーターソン氏(Brad Peterson)。ニューヨーク市タイム スクエアにある Nasdaq の MarketSite 電光掲示板に Drupal ロゴが映し出されている。

僕は昨年 10 月、Nasdaq Corporate Solutions が次世代の IR およびニュースルーム Web サイト プラットフォームに Drupal 8 を選んだというニュースをシェアした。現在、アップル、アマゾン、コストコ、エクソンモービル、テスラといった世界最大級の企業 3,000 社が自社 IR Web サイトに Drupal 8 を使う資格がある。

Nasdaq の IR Web サイト プラットフォームはどういう仕組みになっているのか。

Nasdaq はまず、IR サイトを作るために最適化した「Drupal 8 ディストリビューション」を開発した。彼らは Drupal 8 からスタートし、それを貢献モジュールとカスタム モジュールで拡張したうえで、ドキュメンテーションおよび標準となる Drupal コンフィギュレーションを加えた。そうしてできあがった Drupal バージョンでは、標準状態で、Nasdaq のクライアントに IR Web サイトが提供されることになる。

次に Nasdaq は、上場しているすべてのクライアントに対して、このディストリビューションを「as-a-Service」として Acquia Cloud Site Factory を通じて提供することを決めた。「as-a-Service」形式で提供すれば、Nasdaq の顧客は自社 IR サイトのインストール、ホスティング、アップグレード、メンテナンスに気をつかう必要はない。Nasdaq の新しい IR Web サイト プラットフォームなら、トップクラスのパフォーマンスとスケーラビリティー(拡張性)も確保されるし、厳格なセキュリティーおよび法令規格準拠の要件も満たされる。こうした特徴がすべて標準で備わっているので、Nasdaq のクライアントは、自分たちのステークホルダー(利害関係者)に重要なニュースや情報を提供することに専念できる。

Drupal を Web サービスとして提供するのは別に新しいアイデアではない。実際、僕は 2007 年から、ホスティングされたサービス モデルをディストリビューションに使う話をしている。これはパワフルなモデルなので、Nasdaq の Drupal 8 ディストリビューション as-a-Service は win-win-win-win の状況を作っている。Nasdaq のクライアントにとっても、Nasdaq にも、Drupal にも、そして、ここでは Acquia にとってもいいことだ。

Nasdaq の顧客にとっていいというのは、それぞれの世界のいいとこ取りをしたプラットフォームが提供されるからだ。すなわち、クラウドサービスから来る保守のしやすさ、信頼性、セキュリティー、拡張性がありながらも同時に、オープンソースを使うことから来る革新性と自由も得られるわけだ。

Nasdaq にとってすばらしいのは、オープンソースを利用したビジネス モデルを確立することになるからだ。Drupal にとっていいのは、Nasdaq が自らの Drupal ディストリビューションと Drupal に還元するかたちでリソースの投入を促すことになるためだ。Acquia にとってもいいのは明らかだろう。Acquia Site Factory Platform を販売できるからだ。

僕の話が信じられないという人は、Nasdaq 自身が言っていることを聞いてみるといい。以下のビデオには Nasdaq Corporate Solutions のトップかつ執行副社長(executive vice president)であるステイシー スワンストローム(Stacie Swanstrom)さんが出ている。この提供サービスの価値を Nasdaq が顧客に売り込んでいる様子がよくわかるだろう。スワンストロームさんは、Nasdaq の IR Web サイト プラットフォームは Drupal 8 によって「クライアントの皆様にオープンソース テクノロジーの利点をお届けする」と説明し、「そこには占有(商用)プラットフォームと比べてプロダクトの強化をより加速できる能力も含まれている」としている。